ハイファンタジー 短編

侍女のふりでお供した王宮の門で、義妹の招待状が開かない理由がわかりました ~宛名は"土かぶり"の私だったようです~

桜木ひより 2026/11/04 公開 2026/11/04 18:10 更新

あらすじ

「王宮の招待状? どうせフリーダ宛てに決まっているわ」
伯爵家に届いた、王妃主催の春の園遊会の招待状。継母ベアトリスは、開かない封の中身を確かめられないまま、それを実の娘フリーダのものと決めつけた。
伯爵家の長女エマは、亡き母の庭の手入れと家事を押しつけられ、いつも土で汚れているせいで、継母と義妹から「土かぶり」と呼ばれている。港町で働く父は、家のことを何も知らない。花の世話を教えてくれた教会の老シスター・マルタだけが、エマの味方だった。
手土産の薔薇の籠を抱えて、侍女としてお供した王宮の門。王家の封蝋は、宛名の本人が触れたときにしか開かないという。着飾ったフリーダがいくら触れても、封蝋は冷たく黙ったまま。
継母に突き飛ばされ、地面に落ちた招待状をエマが拾い上げたとき、封蝋がぱっと光った。
「エマ・ハーゼ嬢。真冬の花壇を咲かせた方へ」
枯れかけた王妃エレオノーラの薔薇園が、エマを待っていた。

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