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武田和生 2015/10/07 公開 2024/09/13 21:15 更新
武田晴信(たけだはるのぶ)とは、戦国時代の武将、武田信玄の出家前の本名です。拙著では信玄の前半生を対象にしており、晴信の名で進めます。
欲望のためなら手段を選ばない極悪非道の人間、あるいは完全無欠のスーパーヒーローとして演出されることの多い信玄ですが、ここでは気弱で心根のやさしい人間が、戦国時代を生きぬくためには非情にならざるをえない苦悩を書きます。
物語は、前世の記憶をもつ現代人が、当時の自分である武田晴信について紙に書き残す、という形式をとります。そのため、主人公は「私」という人称代名詞で語ります。また、カタカナ言葉も地の文で使用しています。意識だけ戦国時代にタイムスリップしたかのように、過去の話なのに現代の視点が混濁していますが、ご愛嬌。
武田晴信には禰々(ねね)という妹がいました。禰々は十六という若さで死にます。死因ははっきりしていません。自ら命を断ったのかもしれません。十六というのは数え年であって、現代なら中学三年生くらいの女の子です。なぜ彼女は死んだのか。
晴信は妹の嫁ぎ先を侵掠し、夫を殺し、子供を禰々から引き離しました。
晴信が禰々に対して、どのような気持ちでいたのか、それを伝える文書はありません。感情を他人に吐露することはなくとも、慚愧の念で自分を責めていたのではなかったか。
(なお、章ごとの後書きで、いくつか自論を展開しています。ご高覧いただければ幸いです。
→ 後書きを廃止し、作品の後ろにまとめて章を作りました。2024年
小説の出来不出来は別として、信玄の実像に近いのではないか、いくつかの逸話も無理なく説明できる、と自負するところです。)
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