異世界恋愛 短編

「君は飾りでいい」と婚約者が言うので、飾りらしく黙っていたら、隣国の大使の通訳ができるのがわたしだけでした

みぎみみ 2026/10/31 公開 2026/10/31 10:40 更新

あらすじ

「いいかい、イザベル。今夜の晩餐会では、君は飾りでいい。余計な口はきかないこと」
外務省の書記官ウィルフレッドにそう言われて、侯爵令嬢イザベルは、言いつけどおり微笑んで黙っていた。

隣国サフィールの大使を迎える晩餐会。大使が杯を手に唱えたのは、何百年も前の宮廷の言葉――古サフィール語の詩だった。王宮の通訳も、外務卿マクシム・リヒター公爵も、誰も答えられない。

その言葉がわかるのは、隣国で育ち、母の膝の上で古い子守唄を聞いてきた、飾りのわたしだけ。
「じっとしていろよ。君は、飾りなんだから」
卓の下で手首をつかむ婚約者。そのとき、大使が見つけたのは、わたしの膝の上の、母の形見の扇だった。

※約1万字の読み切り短編です。ざまぁは軽め、最後は甘く終わります。

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