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一耶 礼 2020/05/09 公開 2020/06/17 07:00 更新
「かーくん、これでかえられるね」
もう十年以上前のこと。長い帰り道を手を繋ぎながら共にした少女に俺、秋谷 叶枝(あきや かなえ)は恋をした。
不思議なことに、俺は高校二年生になった現在も、今となってはその表情も声色も曖昧になってしまったあの子のことを想い続けている。
そして俺はその理由が、俺とその少女は現在も毎日出会い、言葉を交わしているからではないか?という予想を立てた。
俺の幼馴染の、3人の少女。
活発で思いやりのある後輩、霜織 白菜(しもおり しろな)。優しく穏やかな性格の同級生、浜守(はまもり) ひので。大人びているがどこか抜けている先輩、瑞凪 霙(みずなぎ みぞれ)さん。
この三者三様、産まれた時からの幼馴染の中に、俺の初恋の人がいる筈だ。だが、手掛かりである少女との思い出も十年以上前のことで中々その少女の正体が分からずにいた。
そんな時、同じく幼馴染で、浜守の双子の兄でもある浜守 夕悟(はまもり ゆうご)からその時の記憶の再現、つまりその3人と手を繋いで歩いてみてはどうか?という提案を受ける。
根拠も無く、突発的に思いついた計画だったけど藁にもすがる思いで試してみることにした。しかし、小さな頃ならいざ知らず、高校生になった現在、手を繋いで歩くのは至難の業だ。
そんな中、今まで当たり前の様に接してきた幼馴染達の知らなかった一面にも触れることになる。
これは、在りし日のあの子の手を、あの手この手で追い求める物語。
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