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久世 紫乃 2026/10/12 公開 2026/10/12 09:10 更新
星詠みの塔で見えた未来は、炎の中で目を閉じる私の姿だった。
その炎の向こうにいたのは、王都一の火を持つ婚約者、エーリク様。
焼かれるのは怖い。でも、それ以上に、あの人に私を焼かせたくない。
そう思って、私は自分から婚約を解消した。
ところが、詠み違えたと責任を感じた星詠みの塔が、「最高の縁」を探すと言い出した。
さらに、元婚約者が見合いの「灯り係」に志願してくる。
見合いのたびに、灯りの火が勝手に暴れる。
副長は眉を焦がし、学者は本音を鸚鵡にばらされ、穏やかな青年は部屋ごと凍えてしまった。
「すまない。隙間風だ」
この部屋に窓はありません。
そんなある日、見合いの席で、エーリク様の色をした炎が私を取り囲んだ。
熱い。この火は、私を焼いている。
十年間、あの人の火に指を焼かれたことは一度もなかったのに。
予言は本当に、私の死を告げていたのだろうか。
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