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多々野行人 2023/04/17 公開 2023/04/30 12:00 更新
「なあソフィア、僕達の為に死んでくれないか?」
王城の地下にある暗いジメジメとした牢屋。
排水管さえマトモに管理されていないのだろう、
夜中にはネズミがキィキィ鳴いて恐ろしくてとてもまともに寝れなかった。
この目の前にたつ男を信じて待っていた私に今何と言った?
私は聞き違いかと唖然としてしまった。
「ねえソフィア姉様、仕方ないのよ。
あのまま陛下が生きていたらアーサー王子様といつ結婚出来るか分からないじゃない」
そこには派手な赤いドレスを着てニタニタと男の腕にしがみついている私の実の妹がいた。
全てを悟った。
私は実の妹に婚約者を奪われたばかりか、この女の犯した罪を被せられたんだ。
数日後、時折霧雨がふる天気の中で私の斬首刑が行われた。
「悪女ソフィア、婚約を破棄された腹いせに我が父上の国王陛下に毒殺するとは、
なんと卑劣な行いをしたのだ、最後に申し開きがあるなら聞いてやる。」
「いいえ何も、心よりお慕いしておりましたアーサー様。
私を騙して掴んだ束の間の幸せを今だけ楽しんでいて下さいな。
必ず必ずこの恨みを晴らしに戻って参ります。
そう私が言い放つと首筋に刃の感触を感じた。
ゴロリと回る視界の中で怯えるアーサー王子を睨みながら
私はその日、確かに死んだのだった。
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