パニック 完結・全16話

赤い月の夜に、君を殺す夢を見た。 ――夢で殺された人間は、翌朝ほんとうに死んでいる

アコンプリスの人 2025/11/08 公開 2025/11/09 14:27 更新

あらすじ

眠れば誰かが死ぬ町で、僕は彼女を殺す夢を見た。
――
 赤い月が出た夜、月代悠真は夢を見た。
 同じクラスの男子生徒を、屋上から突き落とす夢だった。

 翌朝、その生徒は本当に死んでいた。

 町では、同じような死が相次ぐ。
 夢で殺された人間が、現実でも死ぬ。
 眠った者は誰かを殺すか、誰かに殺される。
 やがて町には睡眠検疫が敷かれ、学校には「夢を見た者を密告する箱」が置かれた。

 そんな中、悠真の前にクラスメイトの篠宮澪が現れる。

「私、君に殺される夢を見た」

 澪は、悠真が夢の中で水に沈めた少女だった。
 だが彼女は、現実では生きていた。手首に、悠真の指の形をした痣だけを残して。

 悠真と澪は、手を繋いで眠ることで、夢の中の死を変えられると知る。
 けれど澪は、何度も同じ夢を見ていた。

 赤い月の夜。
 悠真に殺される夢を。

 眠れば誰かが死ぬ町で、二人は夢の真相に近づいていく。
 そして知る。

 この町は十年前、一人の少女にすべての悪夢を押しつけていた。

 彼女を殺せば、町は助かる。
 彼女を殺さなければ、町は眠りに沈む。

 だから悠真は決めた。

 君を殺す夢を、僕が殺す。
――
登場人物紹介

月代悠真
高校二年生。赤い月の夜から、誰かを殺す夢を見るようになる少年。自分を責めやすいが、最後まで誰か一人を犠牲にする答えを拒もうとする。

篠宮澪
悠真のクラスメイト。悠真に殺される夢を何度も見ている少女。十年前の研究施設事故の生存者であり、町の悪夢の中心に置かれていた。

黒瀬透
悠真の親友。恐怖から悠真たちを密告しかけるが、最後は自分の弱さを認め、夢の中で二人を支える。

白鳥玲奈
クラス委員長。秩序を守るために密告箱へ関わるが、その正しさが赤い月に利用されてしまう。

水無瀬朔
転校生。以前、別の町で赤い月現象を経験している少年。死者の夢の法則を知っている。

朝霧医師
睡眠検疫に関わる医師。十年前の研究施設事故の記録を知る人物。冷静に見えるが、町の罪と向き合おうとしている。

ポイント

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