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ロベルト=北沢 2026/09/03 公開 2026/09/07 18:00 更新
逆刻の民ターリャは、時を逆さに生きる。老婆の姿で生まれ、年を経るごとに若返り、これから起こることを「思い出し」ながら、最後は赤子となって水に還る。
王国歴1639年、川辺で泣くひとりの老婆に、七つの少年が出会った。彼女の名はユネ。初対面の少年との四十八年の付き合いと、その別れの日までを、彼女はその瞬間、すべて思い出していた。
少年の名はユーリ・ロ・ヴェンデル。長じて「吹き流れる知恵の収集旅団」に入り、『七つの隣人』を著し、やがてターリャとの橋渡し役たる長として「ターレ」の名を授かる男である。
友を見送った翌年、五十六歳のユーリは筆を執る。出会いから書き起こそうとして、書けなかった。書き進めるほどに、友が死んでいくからだ。ならば、と彼は決める。この本は逆さに書く。別れがいちばん古く、出会いがいちばん新しい、あなたの向きで。
看取りの桟橋から、授名の儀、国を救った大水の帳面、子らを連れた村参り、費えの帳面でした求婚、そして真新しい帳面に記した最初の問いへ。老いた記録係が人生を遡って綴る、亡き友への長い長い返し文。最後の頁に待つのは、すべての始まりの川辺である。
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