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梔子 2025/11/17 公開 2026/09/06 23:33 更新
綺麗に生きて、綺麗なまま死んだ人間がいた。
人見琥都は幼い頃に父親が家を出て母親と二人で暮らしていた。貧乏で汚いと周りから避けられ、いつも一人きりだった。困っていても誰も助けてはくれない。彼はいつも空腹だった。
小学校の六年に上がった時、琥都のクラスに坂下善次が転入して来る。彼はいつも微笑みを絶やさない。決して人を悪く言わず、どんな人間にも良い面があると信じて、彼に対して悪意をもって近づく人間にも親切だった。何をされても彼は許してしまう。困っている人がいれば助け、皆が嫌がる事を引き受け、それでいて嫌な顔一つしない。その姿はまるで天使のようだった。
ある日、席替えで善次と琥都は隣の席になった。善次が給食のプリンを琥都にあげた事で二人は親しくなる。琥都にとって善次は唯一の友達で、学校で多くの時間を共に過ごし、善次の家にもよく訪れていた。
けれど、中学三年の冬の日、彼は突然死んでしまう。
それから数ヶ月後、琥都はわけあって善次の部屋を訪れる。そこで、彼の日記を見つけた。その日記を読んで、琥都は善次の胸の内を知る事となる。
綺麗に生きて、綺麗なまま死んだと思っていた。が、実際は……
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