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山縣十三 2024/04/09 公開 2026/07/29 10:17 更新
戦乱の世に、妖は生まれる。
不毛な権力闘争が続く室町、享禄年間。
渦巻く憎しみや欲望が、時に目に見えぬものを呼び寄せる。
戦いに身を投じる権力者たちは、どこまでも醜く、力を欲し続けるのだ。彼らが鬼を呼ぶのか、はたまた彼ら自身が鬼なのか…人の世が乱れるその陰で、ナニカが目を覚まそうとしていた。
生まれつき妖が視える宗音は、その力ゆえに家に居場所がなく、幼い頃に出家した。 やがて法力を身につけ、妖怪退治で名を馳せるようになった宗音のもとへ、実家の父から一通の文が届く。
小さな領地を治める国衆・久兼氏の元で、不運な武将と揶揄される若君、多幸丸こと久兼興泰を守れ——。
厄運の若君と揶揄されながらも、民と家のために誠実に歩み続ける興泰。その人柄の良い有能な若君に好感を抱いた宗音は、その身に引き寄せられる妖を祓うことを決意する。
一方、己の生き方を探し続ける弟弟子・光明は、旅先で出会った者たちの壮絶な一族同士の闘いに巻き込まれようとしていた。
家督を巡る争い、忍びの影、正体を隠した謎の法師——政治と怪異が絡み合う世の中で、彼らは幾度も選択を迫られる。守るべきもののために刀を取る者、消えぬ恨みに抗う者、誰かを愛するがゆえに苦しむ者。血筋も立場も異なる者たちが、それぞれの想いと因縁を抱えて動き出す。
暗雲立ち込める動乱の世に、光を差し込む名もなき若者たちがいたのなら…
そんなもしもを描く和風妖怪伝奇群像劇。
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