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佐崎咲 2024/12/27 公開 2025/01/31 21:33 更新
「私は、滅びの魔女。この国は滅ぶ。竜王、ゆる……せん……」
――違う。そうじゃない。
言い伝えの日に生まれたというだけで『滅びの魔女』とされ、レジール国を追放されたノーリング伯爵家の令嬢シェリーは、獣人の国グランゼイルの森の中で行き倒れる。
しかもそんな時に出くわしたのは、そのグランゼイルを治め、世界で最も強いと恐れられる竜王。
咄嗟に害意がないことを伝えようとするが喉がかれて声が出ず、繋ぎ合わせたら不穏な言葉の羅列になってしまった。
殺される。
お付きの人に「この小僧……」「ころすわよ?」と殺気立たれるが、「滅びの魔女と言われているけれど滅ぼすつもりはないし、男の格好ではあるけれど男ではないんです」とややこしい弁解などする余力もなく気を失ってしまう。
しかし。
目を覚ますと、ふかふかのベッドに寝かせられていた。
「もう少し大きく口を開けろ。でないとこぼれるぞ」
そして温かいご飯を手づから食べさせていたのは、世に恐れられる竜王その人だった。
父親に男として生きるよう強いられ、屋敷に軟禁されていたことで少年にしか見えないほどやせ細ったシェリーに竜王レイノルドは自ら世話をし、寒さに震えるシェリーを温めて眠った。
一方、『滅びの魔女』を追い出し平和になったはずのレジール国では、ちょっとした騒ぎが起きていた。
最も強いがゆえに日々にハリがなく退屈を持て余していた竜王と、ただ誰にも迷惑をかけずに生きたいと願う一人の少女。
「か弱い子ども」と「おかあさんみたい」な間柄は徐々に変化していき――。
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アルファポリス様にも掲載しておりますが少し異なります。(話の大筋は同じです)
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