詩 短編

『最後の音』

百花繚乱 2026/01/14 公開 2026/01/14 09:52 更新

あらすじ

銀縁の丸眼鏡をした男が白鷺館の門をくぐった。
春の空気はまだ冷たかったが、頬を撫でてくる風に対して鬱陶しそうに軽く手を振るだけで彼は言葉を発することなくそのまま足を進めた。
男の名は、名倉響一。髪は黒く七三に分ければ整った髪型になるだろうに、無造作に撫でつけただけなのだろう、やや癖が目立っていた。濃紺の羽織の襟元からは白いシャツの端が覗き、灰色の袴の足元は黒の革靴という装いはどれも高価というわけではないが手入れが行き届いている。まるでこの日の為に下ろしたように。
響一は周りを見渡しながら進んでいく。石畳の道の両脇には枝垂れ桜が咲き始めていた。花びらはまだ硬く、風に揺れても散ることはない。だが、その蕾の間をすり抜ける風はどこか湿り気を帯びていた。遠くで誰かが炭を焚いているのか、微かに煤の匂いが混じっているのを感じ、響一は細い眉を一瞬だけ不快そうに上げたが、少し鼻をこすって気にしないように努めた。

ポイント

総合ポイント 44
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 3681.8% ブクマ×2 818.2%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
4
感想
4
レビュー
5
評価者数
4
平均評価
9.00
週間読者
0

ブクマと評価ポイントの推移

10/29〜11/04(7日間)
ブクマ 4+0(7日間)
5 4 3 10/29 11/01 11/04
評価ポイント 36+0(7日間)
37 36 35 10/29 11/01 11/04

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/04 4 ±0 36 ±0
11/03 4 ±0 36 ±0
11/02 4 ±0 36 ±0
11/01 4 ±0 36 ±0
10/31 4 ±0 36 ±0
10/30 4 ±0 36 ±0
10/29 4 ±0 36 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…