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村上芳 2025/04/20 公開 2025/05/23 18:00 更新
久しぶりに再会した幼なじみの咲良は、笑っていなかった。
感情を感じさせないその姿に、徹はなぜか強く惹かれてしまう。
互いに小学校時代の記憶は曖昧で、懐かしさも実感もないはずなのに、それでも彼の心はざわめいていた。
ある日、町にある神社を訪れた徹は、そこで喋るたぬきの神様と出会う。
神様は言う――記憶を“お供え”に差し出せば、過去へ戻る力を与えてやると。
そこで初めて、徹は「咲良が笑わなくなった理由が過去にある」ことを知る。
記憶を捧げる代償に、徹は夏をやり直す決意をする。
彼女の過去を知るためでも、何かを取り戻すためでもない。
ただ、“いま目の前にいる彼女”に、もう一度笑ってほしいと思ったからだ。
たとえ記憶を失っても、この想いは消えないと信じた。
これは、誰かのために過去へ向かう、ひとりの高校生の物語。
そして──君の笑顔を取り戻すための、僕の夏のやり直し。
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