異世界恋愛 短編

【給仕視点】三十年前、婚約破棄された柱の陰の令嬢を「何も存じません」とかばったら、その方は王妃様になりました

更田遅筋 2026/11/02 公開 2026/11/02 13:20 更新

あらすじ

 三十年前、私はまだ盆の持ち方ひとつで師匠に叱られる、若い給仕でございました。

 あの夜、西の柱の陰には、婚約者に「壁際にいてくれ」と言われた地味なご令嬢と、ご婦人方から逃げてきた地味な上着の青年がいらっしゃいました。

 お二人は柱の陰で、次に誰が誰と踊るかを当てる遊びをなさっていて。

 広間の真ん中で、婚約破棄が叫ばれて。

 そして私は、生まれて初めて、あの言葉を自分の言葉として口にしたのです。

 手前は、何も存じません。

ポイント

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