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ゆき 2026/07/18 公開 2026/07/18 22:36 更新
※昔書いた小説なので平成色濃くなっています
派遣社員として事務職に就く日比野優奈は、コピーや電話応対などの仕事を淡々とこなしながら、自分は「代わりの利く存在」だという虚しさを抱えて生きている。新卒で入社した会社では上司からセクハラを受けて退職を余儀なくされ、その後も派遣先を転々とした末に現在の職場へたどり着いた。職場では同僚たちの陰口や恋愛話に合わせながらも心から馴染めず、将来への漠然とした不安だけが積み重なっていく。
ある日、同僚の新井に誘われ、経営者や資産家などが集まる交流パーティーへ参加する。華やかな女性たちが注目を集める会場で居場所を見つけられずにいた優奈は、偶然、一人の初老の男性・大村弘樹と出会う。彼はかつてヒット作を生み出したものの、現在は創作に行き詰まっている六十歳の小説家だった。
人混みを避けてテラスで語り合う二人は、それぞれが抱える閉塞感や将来への迷いを打ち明け合う。凡人になることへの恐怖を語る大村と、自分の人生には何も積み重なっていないと感じる優奈は、年齢も立場も異なりながら、不思議な共感を覚えていく。優奈は小説に詳しいわけでもないにもかかわらず、大村という人間そのものに興味を抱き、自ら連絡先の交換を申し出る。こうして、停滞した日常を送っていた若い派遣社員と、創作に迷う老小説家との思いがけない出会いが、新たな物語の始まりとなる。
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