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おくり提灯LED 2021/03/28 公開 2021/05/03 18:00 更新
――本当は助けていたんです!
これが言えたらどれだけ楽だったか。
その日、冒険者クラン“龍へと至る道”で5年荷物持ちを勤めていたアレクセイは、あえなく解雇となった。
ずっと家族のように思っていたのに。
クランリーダーのおやっさんに、「役立たずだから出ていけ」と告げられ、仲間達も誰一人としてアレクセイを引き留めなかった。
アレクセイはもって生まれた能力、憑依で幾度となく仲間を救ってきた。でも、魂とは神に祝福されたものであり、そのものをどうこうするような力は教会が定めた禁忌。
そのことは決して言えなかった。
解雇を受け入れるしかなく、借りていた剣を返そうとしたら、役立たずが使っていた剣なんて「ゲンが悪い」と突き返される始末。
アレクセイは涙をこらえ、「皆さんは俺の憧れでしたッ」と最後に言い残して、元仲間達の元を去った。
とはいえ、つらいかなしいとばかりも言ってられない。
いきなりの無職なのだから。
そんなアレクセイが外に出ると、声をかけてくる者がいた。
白鉄騎士団団長ライヤと名乗る女性。更に、その後ろにはフードで顔を隠した長身の女性。
「ぜひ、君を我が白鉄騎士団に迎え入れたい」
まさかの騎士団への勧誘。
心が動く。だが、アレクセイは冷静に考えた。
詐欺だ、絶対に詐欺だ。
しかも心が弱っているところを狙ってくる最低の詐欺だ。
ちくしょう!
アレクセイはダッシュで逃げ出した。
二人とも本物の騎士の勲章をつけていることに気づかずに。
――アレクセイの明日はどっちだ……!?
というようなはじまりの小さな英雄譚。
決して生まれてきてはならない――そんな風に定められた禁忌の少年が、居場所を見つけ、仲間として受け入れられ、そして英雄へとなってゆく。
アルファポリス、カクヨムにも掲載しています。
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