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詩風音 2026/08/15 公開 2026/08/18 08:13 更新
世界は、百の階層からできている。
第百階層が最も深く、第一階層が最も高い――そう信じられている世界。
そのさらに先には、誰もが噂に聞くだけの「地上」があるという。
第百階層で育った青年エヴァンには、幼い頃から一つの夢があった。
――地上を、この目で見てみたい。
亡き母ネスティアから聞かされた青い空、無数の星、果ての見えない海。
母の遺品にあった、そこにあるべきではないもの。その謎を追い、エヴァンは旅に出る。
答えを求めて先へ進む中、エヴァンは未来を垣間見る少女レリカ、過去を多く語らない獣人フォルティスと出会う。
霧に包まれた治癒術の街。
雨が時を刻む街。
湖上に広がる鏡の都市。
戦火に揺れる階層。
旅を重ねるほど、エヴァンが信じてきた世界にも小さな違和感が増えていく。
古い記録と現在の地図は噛み合わず、かつて知られていた場所を今の人々は知らない。
そして先へ進むほど、第百階層を知る者は少なくなっていく。
やがて第五十階層で、古い口伝を守る古代種の老人と出会ったエヴァンは尋ねる。
「俺は第百階層からここまで上ってきた。母さんも、この先へ行ったんだろ?」
老人は静かに告げた。
「異邦人よ――お前は、上ってなどいない」
亡き母の嘘と真実。
百の階層を辿った先で、エヴァンは何を見るのか。
これは、世界の底から旅立った青年が、仲間とともに亡き母の足跡を辿り、まだ見ぬ地上を目指す物語。
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