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カザリナの月 2024/12/26 公開 2025/03/14 20:20 更新
西暦2047年
最先端医療技術のコモディティ化は、世界の人口を108億人に押し上げる結果となり、人類は新たな局面を迎えていた。
食料不足による領海戦争、化石資源の枯渇により過去の人工物や木々を燃料とせざるを得なくなると、CO2は飽和し海域平均海水温度を5.7℃押上げた。海洋生物の多くは死に追いやられるも、行き過ぎた人道配慮と支援は尚も増え過ぎた人類に公平と平等の分配を施そうとしていた。
そんな中、人類は遺伝子操作によって植物から人造人間を生み出すことに成功したのであった。それは光と雨水だけで生命を活動させ、CO2を吸収し酸素を吐き出す画期的な人造生命体。
人類は歓喜し瞬く間にこのバイオロイドは世界に普及する事となる。
一家に一体だったバイオロイドも一人が複数台持ちはじめると、すぐに飽和状態に至る。人々はバイオロイド達にすべてを任せ、働く事を止め、生命の営みそのものが希薄になるとやがて人類は終息へと辿り着く。
水と光だけでおよそ500年近く生きるとされるバイオロイドも完全ではなかった。動物に備わる記憶力が薄弱であり個体差はあるものの、その記憶力は概ね十数ヶ月。
自身へのメッセージとしてその使命を申し送らなければ、直ぐに本来の植物へと回帰させ安住してしまうのであった。果てしない時の中を生きるバイオロイドにとって、自身を植物へと満たさないためには僅かな因果律の綻びさえも許されない。
──── 過去と現在、そして未来が同刻に巡りそして紡ぐ ────
そのメッセージは過去のボクから届いた
このメッセージを未来のボクへと送ろう
追伸 ラプラスは無駄になった(P.S. Laplace in vain)
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