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龍虎 2026/06/05 公開 2026/06/14 12:30 更新
近未来の魔法社会。魔法師は、家柄、実技成績、術式出力によって評価される。高出力魔法を扱える者。名門家系に生まれた者。単独戦闘で結果を出せる者。そうした生徒ほど、優秀な魔法師として扱われていた。
国立霞が関高校・魔法科Eクラスに所属する神代カイは、その価値観の中では完全な劣等生だった。実技魔法は低評価。導杖の起動も遅い。授業態度も悪く、演習中もやる気がない。模擬戦では勝てそうな場面でも、あっさり降参する。同級生からは、才能もやる気もない落ちこぼれと思われている。
だが、カイには誰にも知られていない過去があった。かつて彼は、世界最大級のVRMMORPG『Arcana Raid Online』で、《神託のカイ》と呼ばれた伝説的攻略者だった。未知のギミックを読み、仲間の役割を組み替え、戦場全体を管理し、何度も世界初クリアを成功させたレイド攻略の天才。
しかし、幼い頃に現実の異相レイドで兄を失って以来、カイは攻略という行為そのものから逃げ続けている。自分の判断で誰かを危険な場所へ送ること。誰かの痛みや恐怖を、勝利条件の一部として扱うこと。それが、カイには耐えられない。
だから彼は、何も見ないふりをしている。しかし、霞が関高校の旧校舎地下が新型魔法災害《異相レイド》へ変貌した時、カイの端末に突如、国家の解析AIナビィ・オルタが強制インストールされ、彼は再び選ばれてしまう。戦えない劣等生としてではなく、誰も攻略できない災害を攻略する指揮官として。
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