ヒューマンドラマ 短編

あの山小屋

雉白書屋 2025/10/27 公開 2025/10/27 11:00 更新

あらすじ

 ――おれは……行きたい……いや、帰りたいんだ。なぜかわからないが、あの場所に……。

 山を登る一人の男。その顔には焦燥にも似た険しさが浮かび、瞳にはぎらつく光が宿っている。まばたきの回数は極端に少なく、まるで何かに取り憑かれているようだった。
 足取りに迷いはなく、ただ一直線に進む。しかし、彼が目指しているのは山頂ではない。ただ一つの、ある場所だった。
 彼はひたすらに歩き続けた。空はじわじわと暮色に染まり、山の稜線が沈み始めた。空気は刺すように冷え込んでいき、息を吐けば白く曇り、耳の奥まで冷気が刺さった。
 だが、彼は一度も振り返らなかった。荒れる風にも足を取られず、ただ前へと進んだ。
 やがて、夜が完全に山を呑み込んだ頃、頬にぽつりと冷たい雫が落ちた。とうとう雨が降り出したのだ。
 彼は無言でザックを下ろし、ヘッドライトを取り出してスイッチを入れた。光は頼りなく、闇をほんのわずか押し返すだけだった。
 いつしか、自分が登っているのか下っているのかさえ曖昧になり、平衡感覚が狂っていく。
 だが彼はふっと、笑った。

ポイント

総合ポイント 36
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 36100% ブクマ×2 00%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/31〜11/06(7日間)
ブクマ 0+0(7日間)
1 0 10/31 11/03 11/06
評価ポイント 36+0(7日間)
37 36 35 10/31 11/03 11/06

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/06 0 ±0 36 ±0
11/05 0 ±0 36 ±0
11/04 0 ±0 36 ±0
11/03 0 ±0 36 ±0
11/02 0 ±0 36 ±0
11/01 0 ±0 36 ±0
10/31 0 ±0 36 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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