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比古狭霧 2026/07/26 公開 2026/08/09 00:30 更新
父王を殺したのは、敵国の英雄だった。
魔法大国アステリア王国。
若くして王位を継いだ女王ラウラは、即位の日に一人の男を処刑台へ送ろうとしていた。
敵国最強の宿将。
幾多の戦場を勝ち抜き、『灰狼』の異名で恐れられた男──マティアス。
彼こそが、父王を討った張本人だった。
だが、真実のみを映し出す女王の瞳、真偽眼《トゥルー・ヴィジョン》を通して視えたものは、憎悪でも野心でもなかった。
そこにあったのは、すべてを失った者の深い悲しみ。
王を殺した罪。
王妃を救えなかった後悔。
護れなかった少女への贖罪。
すべてを抱えながら、マティアスは一人で戦い続けていた。
そして、十七年間ただ一人でその罪を背負い、
自らの命を差し出すことで戦争の終わりを願っていた。
「理由を知れば、また誰かが血を流します」
「私一人の首で終わるなら、それで十分でしょう」
父を奪った敵を許すことなどできない。
それでもラウラは、彼を処刑ではなく、自らの剣として迎え入れる。
その日から、王城で新たな陰謀が動き始めた。
攻撃魔法を持たず、真実を見る力だけを頼りに玉座へ座る若き女王。
彼女を狙う暗殺者の正体とは何者なのか。
なぜ父王は、死の間際まで何かを隠していたのか。
そして──敵国の英雄マティアスだけが知る、戦争の裏に隠された真実とは。
「敵だろうと、死なせたくない者は死なせない。それだけだ」
真実を見抜く若き女王と、罪を背負い続ける敵国の英雄。
二人が選ぶ未来は、復讐か。
それとも、憎しみを越えた新たな王国の形か。
これは、信じることを失った女王と、誰よりも不器用に、誰よりも誠実に、彼女を護り続ける灰狼が、国の真実を取り戻す物語。
※カクヨムの女性主人公&イケオジ作品コンテスト用の書き下ろしです(https://kakuyomu.jp/works/2912051604898274334)が、恋愛なし、ロマンスなしなので、王道ファンタジー×ミステリー中編作品(6万字以内)としても楽しめる作品です。
※AIの使用範囲は、王家や臣下と敵国間でのふさわしい呼称や口調のルール、王室に関する一般的な伝統や格式を把握し、チェックする為に使用しています。
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