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夢見羊 2024/07/07 公開 2024/08/16 16:43 更新
2015年。六月下旬。
暑さが増していき、熱中症の患者が多くなり始める時期。それは暑さが見せる蜃気楼か、それとも新手のフェイクニュースか。
世界同時多発的に、一七九の地下大空洞--通称・ダンジョンが発見された。
世界は混乱に陥ったが一部の者達は沸き上がる状態。
同時多発的に起きた現象が一つであったなら、あそこまで混乱はなかったのかもしれないが、人には超常的な力が宿っていた。
超能力とスキル。後に実力社会を強く押すことになる力。
そしてそれだけでなく、ダンジョンがあるなら、あれらもいる。
ダンジョンから漏れ、やがって溢れ出しすそれらを数多の名で呼ぶ。
魔物、モンスター、怪物、妖怪。
混乱と不安の世も、三十年の年月が経ってしまった世界では。
社会と共生し、人は少しのバイオレンスと狂気をもって生活している。
大人だけでなく、子供にすら伝染したそれは。
青少年時代に強く融和はした。
学校教育にダンジョンの探索と超能力の訓練、そして生徒や先生との殺し一歩手前の試合などが行われ。
その色を強く出す七薔薇学園に、一人の男が夢と希望を抱いて入学した。
入学早々に、超能力の差に絶望し、そしてスキルすら否定された。
最底辺な組として位置付けられる八組。
その中でも最弱、無能としていじめられ、虐げられ。自殺を考えた時に、事なかれに生きるでもなく、復讐に殉じるでもなく、トップを目指すでもなく。
才能も努力もないなら、体を鍛えればいいじゃないかと。
そして始まった過酷な筋トレ。
早朝に校舎の回りを百周、朝ご飯は限界を越えて食べて、授業中も虐められている時すら筋トレ。
家に帰れば勉強そっちのけで腕立て伏せ、腹筋、スクワット、握力など鍛えまくり。
虐める者達は、この男の頭の可笑しさに気づき恐怖し、絶望に落として心を折ろうと、夏休み前に開かれる生徒主催の大会にエントリーしていて。
一年最強ともいわれる蒼髪の闘士と戦うことに。
今の自分がどれぐらいの強さなのかを知るために、久しぶりに最弱無能と言われた能力とスキルを使う。
空は晴れ晴れとして太陽がよく出ていた。
勝利の女神は目の前にいる気がする、だがすべての結果は辿り着く前に九十度にへし折られ、阿鼻叫喚が闘技場内を響かせた。
目の前の星の腕を握り潰した男は、どうやら鍛え過ぎてしまったらしい。
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