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毎田遥 2026/11/07 公開 2026/11/07 22:13 更新
数千年前、剣と魔法が戦場の主役だった世界。だが錬金術が火薬を生み、戦いは銃と大砲、やがて戦車とジェット戦闘機の時代へと移り変わった。魔法はもはや敵を倒す力ではない。それでも魔導師たちは、今も戦場に立っている。
水魔法は兵士の喉を潤す飲料水を生み、土魔法は砲撃に耐える地下要塞を固め、火魔法は温かい戦場の食事を整える。そして風魔法は、毒ガスの降り注ぐ塹壕で、兵士たちの周りに清浄な空気の層をつくる。剣も炎も振るわない、後方の魔法。それが、この時代の魔導師の仕事だ。
主人公のシルヴィア・アーレンスは、風魔法を専門とする若き戦場衛生魔導技師。王立魔導院の壁には、炎で城を落とした大魔導師たちの肖像画が今も並ぶ。けれど彼女が選んだのは、英雄になる道ではなく、生きて帰る兵士を一人でも多く増やす道だった。
配属先は、隣国との国境に築かれた激戦区の要塞。灰色の毒ガスが降り、砲声が絶えないその場所で、彼女は同じ道を選んだ親友や、それぞれの誇りを胸に持ち場を守る個性豊かな魔導師たちと出会う。
銃と科学が支配する世界で、魔法は戦場の裏側をどう支えるのか。主役になれなかった魔法の、静かな誇りを描く物語。
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