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ふたーなる 2026/10/19 公開 2026/10/19 16:35 更新
「君には感謝が足りない!」
婚約者である王太子グラシエルから、そう言い放たれたエレノーラ。三年間、彼女は王太子の仕事を陰ながら支え、予算案の作成から外交の調整、式典の準備まで、あらゆる仕事を片づけてきた。
しかし、グラシエルはそれを当然のことだと思い込み、彼女が少しでも協力を断れば不満を口にする始末。ついには、自分の仕事を手伝わない彼女に感謝が足りないと説教し、勢い余って婚約破棄を宣言してしまう。
「いや、あなたには自覚が足りない」
エレノーラは婚約破棄をあっさり受け入れ、王太子の仕事をすべて返却する。
翌日、王宮は大混乱に陥った。自分で仕事を進めようにも、何をどうすればいいのかわからないグラシエル。財務官にも政務官にも助けを求めるが、最終的な判断を下すのは王太子自身。今まで彼女に押しつけていた仕事が、次々と彼の前に立ちはだかる。
やがて国王にも無能ぶりを知られ、王太子としての公務まで縮小されてしまうグラシエル。一方、エレノーラは実家の領地で本来の能力を発揮し、その功績を周囲から認められていく。
半年後、ようやく自分がどれほど彼女に依存していたのかを理解したグラシエルは、謝罪の手紙を送る。しかし、エレノーラの返事は簡潔なものだった。
彼女はもう、誰かの尻拭いをするために生きるつもりはない。
感謝されることすらなかった三年間を終え、エレノーラは自分自身の人生を歩み始める。
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