異世界恋愛 完結・全43話

【わたしの母は誰なの?】婚約破棄された孤児のアテネは、魔道具屋の息子と結婚しなくなったので魔法学院に進学することにした。

山田 バルス 2025/08/07 公開 2025/08/17 14:30 更新

あらすじ

【アルファポリスさんにも掲載中】『銀のアテネと魔道具の街』――婚約破棄と、さよならの朝――

「……もう、アテネとは結婚できないんだ」

その一言で、アテネ=グレイの世界は静かに壊れた。

魔道具店《星降る歯車亭》の奥、香炉から立ちのぼるスパイスの香りも今は重苦しいだけだった。チャーリーの口から出たのは、チョコレー嬢の妊娠。あの春祭りの夜、アテネがひとりで在庫整理をしていた間に、彼は彼女と関係を持っていたのだという。

「じゃあ、私は、いらないのね」

椅子を立ち、淡々とそう告げるアテネに、チャーリーは何も言えなかった。その場を離れようとしたとき、彼の母コウージョが現れた。

「アテネ、小間使いとして雇ってあげてもいいのよ。月銀一枚で」

それは、娘として見てくれていた過去の笑顔とは真逆の提案だった。

「お気持ちはありがたいですが、結構です」

荷物は少なかった。設計本と銀の懐中時計、そして夢――魔道具職人になる夢。それだけを胸に、アテネは店を後にした。

辿り着いたのは、アスティリア北西の古い孤児院《セント・アステリアの家》。ドアを開けたシスター・カレンは、何も聞かず、アテネをそっと抱きしめてくれた。

「ここは、いつでもあなたの家よ」

アテネは泣きながらすべてを話した。カレンは優しく頷き、そしてこう言った。

「夢は壊れてないわ。道が変わっただけ。魔法学院に行くのよ、アテネ。貴族院の援助枠がある。あなたなら、きっと受かる」

初めて、自分の夢に手を伸ばしてもいいのだと気づいた。誰かの未来に添えられるだけでなく、自分の力で未来を選んでいいのだと。

その夜、アテネは星を見上げて誓った。

「――魔術学院に行こう。魔道具を、もっと知りたい」

もう、誰かに決められる人生じゃない。
これからは、自分の足で歩いていく。

ポイント

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ブクマと評価ポイントの推移

10/28〜11/03(7日間)
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81 80 79 10/28 10/31 11/03
評価ポイント 588+0(7日間)
589 588 587 10/28 10/31 11/03

日別の値

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11/03 80 ±0 588 ±0
11/02 80 ±0 588 ±0
11/01 80 ±0 588 ±0
10/31 80 ±0 588 ±0
10/30 80 ±0 588 ±0
10/29 80 ±0 588 ±0
10/28 80 ±0 588 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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