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ゆうき 2021/09/18 公開 2021/09/20 20:40 更新
「息子よ、父からの誕生日プレゼントを与えよう。自室に置いてあるから好きにすると良い」
そう言った父の言う通り、末っ子で第四王子の僕の部屋には、簡易的な牢屋が置かれていた。その中には、ボロボロの布一枚だけを羽織り、全身傷だらけ。足は鉄球が繋がれて逃げられなくなっていて、首輪までつけられた美しい少女だった。
詳しく父や少女に事情を聞いてみると、彼女は元々我が国の貧民街に住む民で、病気の母君の薬を買うために借金をしていたが返せなくなり、肩代わりとして奴隷商人に無理やり連れていかれたそうだ。
奴隷の売買は法によって禁止されている。なのに、権力がある人間達の欲求を満たすために、いまだに存在を許されている。
そんなのおかしい。法は平等でなければならない。法は民を守るためにある。なのに……どうして王族がその法に反する事をするんだ。どうして彼女のような民を、自ら進んで苦しめるんだ。
僕はこの国の王家や貴族の在り方が納得いかない。この奴隷に関する法以外でも、我が国の法は、ほぼ難癖に近い形で貧困に苦しむ民に罰則を与え、重い税を課している。そして、権力のある人間が好き放題している。
でも、それをいくら父王や兄上達に言っても理解されない。
おかしい。民は国の宝だ……こんなの、狂っている。
僕は思った。牢屋の隅っこに膝を抱えて震えている彼女を……こんな狂った国の犠牲になった彼女を救いたいと。それが、四男で何の権力を持たない僕に出来る数少ない事だ。
たとえそれが、世界の全てに否定されようとも。
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