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すかいふぁーむ 2020/05/22 公開 2020/11/30 17:54 更新
アスレリタ王国第一王女キリク。
その暴君っぷりは王国に仕える者たち全員の驚異だった。
その中において、抜きん出た才能を持つ執事がいた。
歳は暴君キリクとほど近い。
それでいてその所作には一点の非の打ち所もない、万能執事だった。
◇
「もうやめだ! 耐えきれない!」
毎日毎日わがままなお姫様につきあい、他の従者や貴族にも馬鹿にされ、それでもなんとかやってきていたが限界だった。
今日のこれはなんだ! 王都から三日もかかる場所にある劇団を次の日に呼んでこいというから工程をなんとかショートカットして間に合わせたのに王女はいなくなっていた。
「遅すぎるから気分が変わったわ。無能なせいで劇団が損をするのはかわいそうだからあなたの給料から劇団にはお金を渡すわね。私は遠乗りに出かけるから帰るまでにお菓子を用意しておくこと。気に食わない場合は給料も休みもないものと思って」
これまでも度重なる嫌がらせのような要求をなんとか実行してきたが、おそらくつい最近覚えたこの給料や休みを取り上げるやり方まで許容すると俺の生活が持たない。
「逃げよう……」
実質王宮に囚われた生活だった。身寄りもない。いやあっても仕事を放棄して逃げた俺を許すとは思えない。
「帝国に行こう……!」
徹底実力主義と言われる帝国。
ここでなら、もしかするとこれまでのスキルが活かせることもあるかもしれない。
掃除料理の家庭スキルから工作暗殺陰謀その他の計画から実行まですべて押し付けられてきたんだ。
一つくらい仕事があるはずだ……!
このときはまだリィトも自分の才能に気づかず、
王国内にその才能を見出したものもいなかった。
だがすでにリィトの万能ぶりは執事の域を超えていて……?
万能執事が帝国で無双するまでの軌跡を描く物語。
【書籍化決定】
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