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さんしんどい 2026/10/19 公開 2026/10/24 21:00 更新
五十三歳、係長補佐。
竜門徳治は、二十年以上かけて覚えてきた仕事を、AIに奪われようとしていた。
議事録も、ヒアリングの整理も、提案資料のたたき台も、今ではAIが数分で作る。
半年後には会社から、「これから自分は何で価値を出すのか」を問われる。
だが、竜門には答えられない。
そんなある日、仕事の愚痴を聞いてもらうつもりで参加した集まりで、竜門は会議室を間違える。
そこは、社会人向けの歴史サークルだった。
隣に座っていたのは、妙に『孫子』に詳しい若い女性。
彼女は竜門の話を聞いて言う。
「まだ、負けたと決めるには早いんじゃないですか」
「だって、まだ何も算えてないでしょう?」
彼女の名は、葛城リョーコ。
十七歳、高校二年生。
学校の成績はそこそこ。
けれど『孫子の兵法』だけなら、原文を諳んじるほどの歴史オタクだった。
会社を知らない女子高生と、会社しか知らない五十三歳。
AIに仕事を奪われかけた五十三歳の係長補佐と、将来に迷う十七歳の“軍師”。
二人が『孫子』を実際の仕事で試しながら、自分でも気づいていなかった才能を見つけていく、AI時代のビジネス成長小説。
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