ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 95
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 153
- 平均評価
- 7.70
- 週間読者
- 197
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
九葉(くずは) 2026/08/04 公開 2026/08/04 12:03 更新
冬至の夜会で、クラリスの隣はいつも空いている。
婚約して八年、八度とも同じだった。
婚約者は毎年、病弱な幼なじみに付き添う。
出かける前、彼は温室に寄る。
そして、彼女の手から薬包だけを受け取っていく。
君は強いから一人でも平気だろう、と言い残して。
その薬は、クラリスの温室で摘まれたものだ。
冬のあいだ、彼女は硝子の骨を直し、毎朝、灰を掻き出す。
花の咲く前に摘み、粉にして、包み口を二度折る。
八年、彼は一度も袋の中を見なかった。
どこで摘まれたのかも、尋ねなかった。
伝えれば貸しになると思い、彼女も黙っていた。
丈夫だから、後回しにしてもいい。
放っておいても大丈夫。
その言葉に、クラリスは八年ぶん頷いてきた。
けれど、薬草も、詫び状も、沈黙も。
差し出してきたものには、数がある。
彼女が手を止めたら、この家では何が最初に足りなくなるのだろう。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…