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福太郎 2021/08/28 公開 2025/06/26 18:22 更新
卓越した演奏技巧の持ち主を称賛して、また時に、その技巧への偏重にかすかな批判の響きを込めて、『ヴィルトゥオーゾ』と呼ぶ。
幼少から、突出した演奏技能を持ちながら、その才能を取り巻く人間の欲や悪意に晒され続けた天性のヴィルトゥオーゾ、呉島 勇吾(くれしま ゆうご)は、獰猛・無軌道・無鉄砲、しかしピアノを弾けば右に出る者はないという、極めてタチの悪いピアニスト。
勇吾が15歳になった時、集客力を盾に唯一彼の手綱を握る、所属事務所の意向で、彼は日本の私立高校へ通うこととなる。
フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール予選で喝采の嵐を巻き起こした2日後、初めて登校した勇吾は、その放課後、激しい気性から上級生とケンカの末、傷を負ったところに、隣のクラスの剣道部員、篠崎 寧々(しのざき ねね)と出会う。
3歳で両親に捨てられて以来、その超絶技巧のみを頼りに生きてきた勇吾は、鼻先に絆創膏を貼ってくれた篠崎の、他意のない優しさに触れると、自分の感情の変化がピアノの響きに影響をもたらしていることに気づく。
一方で、女子剣道部員、篠崎 寧々は、中学生最後の大将戦で、怪我のため不戦敗を喫して以来、完治するも心の傷に苦しみ、闘志を燻らせながら戦う勇気を持てずにいた。
ある時、篠崎の心中にその煮えたぎる闘志を発見し、これに共感した勇吾は、生まれて初めて「こいつのために、俺が出来ることは何だ?」と考える。
これをきっかけに、人の心に関心を持ち始めた勇吾は、優しさや善意に触れながら、時に過去と向き合い、自分の音楽や生き方を模索し始める。
ショパンの音楽が持つ叙情性を獲得させるため、彼の内面性を人為的に拡張しようとする所属事務所や、【消えた神童】の過去を嗅ぎ回るメディア、様々な思惑に持ち前の闘志で抗い、さらなる高みを目指しつつ、勇吾は優しい人たちとの間に温かさを分け合いながら生きる道を探す。
※いずみノベルズ様より『ピアノの悪魔と恋する剣士』と改題して書籍化いただいております。
2023/5/26 第1巻「戦う少女のための超絶技巧練習曲」
2023/10/27 第2巻「『鐘』の主題による四つの変奏曲」
キャラクターデザイン、表紙・挿絵イラストはdaichi様。
とてもカッコいいイラストをつけて頂きました。
併せてお楽しみ頂ければ幸いです。
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