純文学 連載中・全1話

寂寥

久野檸檬 2021/07/19 公開 2021/07/19 12:28 更新

あらすじ

愛だとか恋だとかラベルを付けて男と女が関わり合ったところで、理解し合えることなんか何ひとつ無い。
別に理解したかったわけでもない。でも理解できると傲っていたとは言えるかもしれない。
恐らくは誰もが、理解し合えていると思いたいだけなのだろう。僕もそうだったし、他の人も多かれ少なかれ、知った気になっているだけなのだと思う。
そうやって、理解し合えているつもりの男と女は、相手と向き合い、真剣に関わり合っている気になりながら、結局は、自分自身の内面で繰り返しているだけのマスターベーションに陶酔している。
そこには、ただ、寂寥感だけが漂う。人の日常など、その程度のものでしかない。

この物語の中では、事件も事故も起きない。決してハッピーエンドではないけれど、別に悲劇などと大袈裟に言うようなものでもない。寂寥感を抱えた若者の日常を淡々と記したに過ぎない。

──書きかけのまま、たぶん25年くらいは放置してしまった作品。あのときの自分自身がどういう気分でこれを書いていたのかは、今でもしっかりと記憶している。時間を巻き戻して、少しずつ、書いていこうと思う。

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