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Cir 2024/05/03 公開 2024/05/04 07:05 更新
この物語は、歴史上繰り返し起きたことであり、現在も起きていることであり、未来の予言でもある。
対立する両陣営の片方は、異質なものを排除し、同質のもの同士で団結することで社会が良くなると考える人たちである。歴史上ではクー・クラックス・クラン、各宗教の原理主義、ナチス政権、オルタナ右翼などがこれに当たる。もう片方は、異質なものを包容することで社会が良くなると考える人たちである。多文化主義、宗教間の共存、無宗教、移民、同性愛などを肯定するリベラリストがこれに当たる。
この物語の主人公は、自分と同質のもの同士で団結し、異なるものを排除しようとする極右思想の持主である。主人公だからといって擁護すべき、感情移入すべき人物ということではない。それでも彼に照明を当てるのは、彼の経験と感情と思考回路に触れなければ、彼の不満と憤りに対応することができないからである。今まで社会はその問題に取り組んではきたものの、十分に対応しきれていなかった。
ジョージ・オーウェルの警告した、自由と多様性を抑圧する全体主義時代の後に、世界では自由民主主義が普及し、多くの地域で勝利した。だがまだ根強い対抗勢力があり、その完全勝利は訪れていない。問題はどこにあるのか。どうすればよいのか。
この物語の登場人物たちが、時に迷いながら、時に遠回りをしながら、道案内をしてくれることだろう。
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