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Mr.ナゲット 2020/06/25 公開 2021/01/07 07:13 更新
日課のランニングから帰ると、それに気づく。
真っ黒な地面の上で何か白いモノがうねうねしている。
「何だろ……?」
気になった私は、その場にしゃがむ。
小さめの白い幼虫が地面で悶え苦しんでいた。
その表面には小さなアリが6匹ほど。
幼虫は彼らに噛まれていた。
私は人の目を気にすることなくその場で観察し続けた。
(これは助からないな……)
私は幼虫が死ぬまで、それがどんな反応を見せるのか気になった。
変なことをしているな、とは思った。
それに、
残酷なことをしているな、とも感じた。
私の入っていた部の顧問のひとことが脳内に浮かんだ。
「苦しんでいるなら踏みつけて殺してしまえ」
虫のためだ、とのことだった。
私は観察しているだけで、踏みつけなかった。
私は苦しんでいるのを興味深く見ているだけで、
幼虫を助けなかったわけだ。
しばらく観察を続けた。
その体に赤い、長くて細い線が2本くらい出始めたところで、(表皮が顎によって裂かれたのだろう)
私は観察をやめた。
生物が死ぬまでの苦しみのプロセスに興味を持つ。
靴が汚れるのを嫌がって、
幼虫を踏みつけずに観察を続ける。
その死のシーンに飽きて家に帰る。
主語は全部、私。
残酷な私。
そんな私が創り出した物語。
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