異世界恋愛 短編

「運命の花に水はいらない」と婚約者が言うので、もう水はやりません

年商1億 2026/11/08 公開 2026/11/08 20:30 更新

あらすじ

「運命の相手が見つかった。フィオナ、君との婚約は破棄する」
王太子と男爵令嬢の手首には、同じ真っ赤なひなげしの花が咲いていた。
運命の印。運命の相手は、どんな婚約よりも優先される。

「承知いたしました。……その花には、毎日、お水をおやりくださいませ」
「運命の花だぞ。水などいらない。百日咲くと決まっている」

五年間、毎朝、殿下の頭痛のお茶を淹れてきた侯爵令嬢フィオナは、その日、水やりをやめた。

王立植物園の園長が見せてくれたのは、枯れた運命の印を写し取った、二百十四組の記録。
三百年前の原文には、こう書いてあった。
『運命の花は、百日のうちに水を得ざれば、枯る』

――その水は、相手を気にかけることからしか、生まれない。

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