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海野幸彦 2026/08/29 公開 2026/09/16 14:00 更新
「出ていってくれ、ムノウ。お前は無能すぎる。オレたちにふさわしくない」
ダンジョンの奥。
俺は突如クビを告げられた。
理由は極めて単純、俺が無能だからだ。
冒険者に憧れて田舎から上京、いけるやろくらいの軽い気持ちで背負った剣はずっしりと重かった。
剣に振り回される俺の戦いっぷりは酔っ払いのダンスに似ていた。
罠があれば、すかさず引っかかった。
荷物を背負えば重みで潰され、虎の魔物がいればお約束とばかりに尾を踏む。
さんざん足を引っ張った末のパーティー追放。
当然の結果だった。
失意のどん底。孤独のダンジョン。
最弱級の魔物、ゴブリンにさえ圧倒されて……。
石斧が俺の頭をカチ割ったそのとき、前世の記憶が蘇った。
ここは、ゲームの世界。
そして、俺は《剣士Lv.100》《魔術師Lv.100》《忍者Lv.100》のガッチガチの戦闘構成を誇る、プレイヤーレベル300のカンスト冒険者だった。
指で突いたら、ゴブリンは血の花になった。
これなら、最強無双プレイも夢ではない。
だが、その前に……。
俺はかけた迷惑分の償いをしようと古巣に戻った。
しかし……。
「出ていってくれ、ムノウ。お前は有能すぎる。オレたちはふさわしくない」
結局また追い出されるのだった。
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