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二筆 2026/03/01 公開 2026/10/30 22:10 更新
酒がないと、本気で困る。
“鬼神”と恐れられた鬼の頭領は、宴の席で毒を盛られ、仲間もろとも謀られて斬られた。次に目を開けたのは、魔法と魔物が息づく見知らぬ空の下。懐には割れたはずの盃、腰には一度抜けばすべてを終わらせかねない太刀。
それでも彼が望むのは、気の合う仲間と、静かに酒を酌み交わす日々。できることなら、面倒事の起こらない日に。
再会したのは、追われ続けた末にこの世界へ流れ着いた古い友、白銀の髪の妖狐。
逃げることをやめた狐と、斬ることを望まない鬼。
しかし、王国は彼を異物として排除しようとし、魔族はその力を欲する。面倒を避けるだけでは、仲間と過ごす日々さえ守れない。
出会った者たちも、変わっていく。命令に生きてきた騎士は自分で選ぶことを知り、役割に縛られてきた王女は、自分の足で立とうとする。
それでも、投げ渡された指輪は、とりあえず避ける。
誰に何と呼ばれようと、彼は彼のまま。
その鬼ははじめから鬼だったわけではない。
※主人公視点は一人称、群像パートは三人称です。
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