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気分屋カラス 2024/12/25 公開 2026/04/27 23:59 更新
ウロラ大陸南東部。
ドメロン山脈を隔てた先に広がるメロウ大湖畔地帯。
その豊かな水源によって発達した平原地帯、「メルカッタ」。
かつてそこに存在した「帝国」が崩壊して、幾星霜の年月が経った。
ここではかつて「竜騎兵」と呼ばれた特別な帝国軍人たちが空を支配していた。
今やその姿はなく、「飛竜兵」と呼ばれる新たな兵が空を飛ぶ。
だが、今も「この地の夜には、いまだ亡霊が空を飛ぶ」と噂が立つ。
主人公、オーレリウス・ベルベッド。
彼もまた「亡霊」と呼ばれる存在の一人である。
黒殻の魔竜「ストルム・ブリンガ」。
主人公の左腕を喰らい、契約を結んだ存在――それが彼だ。
月と夜の世界を飛び、表向きはただの冒険者として過ごすオーレリウス。
平和なこの世界では既に「竜騎兵」の居場所なぞどこにもない。当然、竜へその身を捧げ、超常の力を人の身に宿した契約者ともなればなおのことである。
それでも、なぜ生きているのか。
これは、英雄譚として謳われるものではない。
これは、帝国の興亡を謳う鎮魂歌ではない。
これは、一人の敗残兵を取り巻く日常。
死ぬ理由を失い、ただ生きている一人の契約者を謳う哀れな喜劇。
それでも生きる、竜騎兵の歌である。
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