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ふたーなる 2026/10/28 公開 2026/10/28 20:35 更新
「ヴェルネッタ・ローディア! お前との婚約を破棄する!」
王宮の舞踏会で、王太子オルディスから婚約破棄を宣言された侯爵令嬢ヴェルネッタ。
彼女は驚くことも悲しむこともなく、静かに一礼した。
「承知いたしました。では、こちらの書類をお願いいたします」
差し出されたのは、婚約破棄に必要な書類一式。
実はヴェルネッタ、王太子との婚約を終わらせるため、ずっと前から準備を進めていたのだ。
ところが、いざ手続きを始めてみると、王宮の窓口では次々と問題が発生する。
「こちらの書類は、第二窓口へお願いいたします」
「署名が足りませんので、第三窓口へ」
「その手続きは王族婚姻管理局の管轄でございます」
書類を抱えて王宮中を歩き回る王太子。
一方、婚約破棄を無事に済ませたヴェルネッタは、長年押しつけられていた王太子の仕事からも解放され、自由な生活を満喫していた。
そして、彼女がいなくなった王宮では、予定表が消え、書類が積み上がり、王太子の仕事がまったく進まなくなっていく。
「ヴェルネッタ! 戻ってきてくれ!」
「お断りいたします。婚約破棄後の業務依頼は、正式な契約が必要でございますので」
これは、婚約破棄をしたはずの王太子が、なぜかいつまでも書類に追い回される物語。
**なお、婚約破棄の手続きは、まだ受理されていない。**
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