ヒューマンドラマ 短編

家を売り全財産を注ぎ込んで妻の起業を支えたのに、彼女は初恋の男のために俺の目を奪った

熾星 2026/09/27 公開 2026/09/27 16:00 更新

あらすじ


 結婚記念日の朝、美沙から急に連絡が入った。投資家との打ち合わせが入ったから残業になる、予約していた映画には行けないという。

 一人で街を歩き回ったものの、誰もいない家へ早く帰る気にはなれなかった。水鷺駅近くの劇場街を通りかかったとき、小さな劇場でお笑いライブの当日券が残っているのを見つけ、なんとなく一枚買った。

 ライブの途中、ステージ上の芸人が客席とのやり取りを始めた。

「今日、恋人や旦那さんに内緒で来てる人います? 正直に手を挙げてくれたら、限定グッズ差し上げますよ」

 最前列から、すぐに手が上がった。

「はい」

 聞き間違えるはずのない声だった。顔を上げると、そこにいたのは妻の榎本美沙だった。

 その隣には、知らない男が座っていた。背が高く、左の頬に薄い傷跡がある。美沙は笑いながら、スタッフから渡されたマイクを受け取った。

「今日は結婚記念日なんです。だから、本当に会いたい人と過ごしたくて」

 客席から一斉に歓声が上がった。

 芸人も一瞬だけ言葉に詰まったものの、すぐに隣の男へ視線を向けた。

「でも奥さん、その人が旦那さんじゃないって、どうやって証明するんです? かなりお似合いですけど」

 あちこちから笑い声が響く。

 後方の席から立ち上がった。椅子の脚が床を擦り、耳障りな音を立てる。近くの客が振り返り、何台ものスマートフォンがこちらへ向いた。

「証明できます」

 俺を見た瞬間、美沙の顔から血の気が引いた。それでも自分では驚くほど、声は落ち着いていた。

「俺が夫ですから」

 劇場の笑い声が止まった。

「この三年間の結婚記念日、美沙は一度も、本当に会いたい相手とは過ごしてなかったみたいですね」

ポイント

総合ポイント 228
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 21694.7% ブクマ×2 125.3%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

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ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
ブクマ 6+1(7日間)
7 6 5 4 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 216+30(7日間)
200 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 6 ±0 216 ±0
10/30 6 ±0 216 ±0
10/29 6 ±0 216 +10
10/28 6 +1 206 +10
10/27 5 ±0 196 +10
10/26 5 ±0 186 ±0
10/25 5 ±0 186 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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