ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 0
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 1
- 平均評価
- 10.00
- 週間読者
- 0
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
雉白書屋 2024/08/02 公開 2024/08/02 11:00 更新
「……うん、そうなの……で……そう、あっ!」
おれがスイッチを押してリビングの明かりをつけると、妻はバッと顔を上げておれを見た。目を見開いて、まるで幽霊を見たかのような表情を浮かべていた。どうやら、玄関でのおれの「ただいま」は妻に届いていなかったらしい。おそらく、外が暗くなる前からずっとここでそうしていたのだろう。スマートフォンの充電器がコンセントに刺さっており、コードが妻の手元まで伸びている。
「……夕飯、買ってきたから。まあ、好きな時に食べなよ」
おれはそう言って、テーブルの上にスーパーで買ってきた弁当を置いた。妻はボソッと何かを言った。おれにはよく聞き取れなかったが、それが「ありがとう」だったらいい。しかし、おれに対して言ったことですらないかもしれない。最近は、夫婦の間にほとんど会話がない。あの事故から数ヶ月経った今でも、妻は亡くなった娘とばかり会話をしている。
おれはビニール袋をガサガサと鳴らしながら弁当を一つ取り出し、自分の部屋へ向かった。本当は電子レンジで温めたかったが、同じ部屋にいるのが気まずい。妻もそう思っているだろう。
自室のドアノブに手をかけた瞬間、妻の声が聞こえた。耳を澄ませてみたが、妻はおれに対して何か言ったわけではなく、また娘と会話を始めたようだ。
おれはため息をつき、部屋の中に入った。
椅子に座って、弁当を机の上に広げ、箸を伸ばしたが、どうも食欲がわかない。この家にこもった湿った空気と臭いが、まるで雑巾を丸ごと喉の奥まで詰め込まれているような気分にさせるのだ。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…