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とっとっととっとって 2026/11/08 公開 2026/11/08 08:30 更新
「一年に一本しか打てない鍛冶師は、うちには要らん」
王都の大鍛冶ギルドは、一日に百本の剣を打つ。
けれど、鉄の声が聞こえる鍛冶師ヨルクの耳には、聞こえていた。
安い鉄鉱石を混ぜ、折り返しを減らした量産の剣が、内側にひびを抱えて泣いている声が。
追放されたヨルクは、魔物の出る辺境の砦町で、看板を一枚だけ掲げる。
『一年に一振り。その人だけの剣を打ちます』
最初の客は、指が二本ない老騎士だった。
「三本目だ。王都の剣は、三回斬ったら折れる」
「ひと月、あなたを見せてください」
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