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佐藤 英 2026/10/10 公開 2026/10/10 17:41 更新
戸板神社の奥にひっそりと佇む宿坊・真言坊。
そこには、1400年前に神社の影として降り立った赤鬼の紅と青鬼の蒼が、女将と中居として暮らしている。
人間の前に姿を現すようになったのは、平安〜鎌倉期に宿坊が建てられてから。
本質は変わらず、彼らは今も戸板神社と村の安寧を守り続けている。
真言坊には、時に“向こう側”の存在が現れる。
人の負の気を好む「苦り虫」、未成仏霊、天狗の郷、産土神──
この土地は昔から、神域と人の世界の境が薄い。
紅と蒼は、宿坊に訪れる人々の影を払い、迷った魂を導き、時に神隠しに遭った子供を取り戻し、
時に荒ぶる神を鎮め、村を守ってきた。
そしてある冬の日、心が沈みきった“おひとり様”の女性が真言坊を訪れる。
彼女を導いたのは、池に棲む錦鯉──水の女神・罔象女神(みずはのめ)。
人の心の底にある孤独と痛みをそっと照らし、再び歩き出す力を与える。
これは、
神様と人間が同じ場所に息づく土地で、
静かに誰かの心を救い続ける宿坊の物語。
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