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年商1億 2026/11/07 公開 2026/11/07 09:00 更新
「陰気で、笑わず、絵の具臭い女を、王子妃にはできない」
春の夜会で、宮廷画家の娘イルゼは婚約を破棄された。
「承知いたしました。では、お預かりしていた二百十二個を、すべてお返しいたします」
この国の貴族は、老いも罪も後ろめたさも、画家の描く肖像画に預けて、美しく生きている。
縁が切れたので、預かっていたものを返しただけ。
翌朝、王子の髪は白くなり、王子の腕にいた男爵令嬢の頬には、消したはずの傷が戻ってきた。
そして無口な修復師が、イルゼの指先を見て言う。
「その色は、どの顔料にもない」
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