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織坂一 2024/02/12 公開 2024/06/08 20:00 更新
改暦2100年。人類は死という事象の恐怖に怯えていた。
本来、死とは事象。目に見えぬ死神の鎌であり、それらは平等に人間の首を刈る。
しかし、1000年前に通称・『デーモン』という新たな死が顕現したことで死の形は歪められていく。
故に人類は『デーモン』を討つべく、『魔王討伐』を開始するも、未だに『デーモン』を討てずにいる。
一方、『デーモン』と渾名された男——シック・ディスコードはただ延々と自身を殺そうとする者達から手から逃れるが、彼もまた“病”を抱えていた。
虚無と死への憧憬。そしてもう1つ彼が永遠に理解出来ぬである愛という病。
加えて、死という万象ゆえに死ねないその身を引き摺って、彼は今日も世界に生かされる。
しかし、ある少女——ルタ・エーデルシュタインと出会うことで彼の終焉はやってくる。
シックがルタが手に取った瞬間、彼女もまた運命から生贄であることを強要される。
はたして、ルタの思惑とはなにか。
そして、シックの抱えた“病”とはなにか。彼の死への切望に隠された裏とはなにか。
これらが暴かれるとき、死という事象を元に戻すべく神が降臨する。
同時に、シックが『デーモン』と化した断罪者との過去、シックが未だ人間であった頃の記憶が明かされるのだ。
宣言しよう。これは救済劇ではない、魔王が定めた自身の末路。
なにより、花嫁たる彼女が望んだ楽園。
「再度問おう、汝こそ我が花嫁なりや? であるならば、汝こそ我が生贄に相応しい」
その宣告と共に、1000年前に交わされた2人の男女の約束も“オワリ”を成す。
これこそ、魔王の終焉。
死ねず病を抱えた憐れな男へ手向けた花嫁との物語である。
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