その他 短編

『僕の孤独・僕らが紡ぐ、夜の端っこで』

初雪音 2026/10/18 公開 2026/10/18 21:36 更新

あらすじ

ミリオンセラーを連発する「時代の寵児」として世間から絶賛される天才作家・元(はじめ)は、世間が求める「爽やかで前向きなエンタメ作家」という虚像と、自身の内面にある生々しい葛藤とのギャップに苦しみ、夜な夜なホテルの暗闇で「本当の言葉」をノートに書き殴る日々を送っていました。
そんな中、2024年の大震災によって言葉の無力さに打ちひしがれ、さらに過酷な執筆から右耳の神経障害(音障)を発症。しかし、編集者の拓海、ブックデザイナーの涼という心強い仲間たちに支えられ、元は「万人向けのエンタメ(光)」と「自身の削り出した本音(影)」を両立させる「フェーズ3」の覚悟を固めます。
2026年、大ヒット作となる小説『Popular』と、限られた人にしか届かない漆黒の限定装丁版『Popular / Shades』を同時に世に送り出します。
一方、北の被災地の仮設住宅で、震災のトラウマから心を閉ざし、息を潜めて生きる一人の「私」がいました。彼女は偶然手に入れた『Shades』を開き、そこに綴られた元の言葉と、暗闇の中で命を削るようにして生み出された体温に触れ、凍りついていた心を救われます。
数日後、東京の編集部に届いたのは、その「私」からの心からの敬意(リスペクト)が詰まった一通のファンレターでした。自分の苦悩と生き様が遠くの誰かに真っ直ぐ届いたことを知った元は、孤独な恐怖を乗り越え、新しい一歩を踏み出すのでした。

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