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える・あーる 2026/08/12 公開 2026/08/12 18:00 更新
「聖女を大階段から突き落とした罪により、国外追放を命ずる」
婚約者だった王太子にそう告げられ、侯爵令嬢セラフィナは国を追われた。
国境を出て三日。街道で行き倒れかけた彼女の前に、一台の荷馬車が停まる。
「お迎えに上がりました、セラフィナ様。……ああ、よかった。今回は、間に合いました」
連れて行かれた先は、丘の上の「ひばり館」。玄関には古い木札が掛かっていた。
『追放された悪役令嬢の皆さま、まずは温かい三食と寝床から』
規則は三つだけ。三度の食事をとること。夜は眠ること。人を傷つけないこと。そして家名は、名乗らなくていい。
帳面に名前を書くと、「第四十三号」と番号が振られた。……あの国、いくらなんでも断罪が多すぎないだろうか。
断罪された令嬢たちが暮らすその館で、セラフィナは館長マルタの「聞き取り」に呼ばれる。
罪状の記録なら、王国がとうに作っている。それなのにマルタが机へ置いたのは、まっさらな白い紙だった。
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