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グレート・東條 2026/10/10 公開 2026/10/10 13:44 更新
「お国のために死ね」という狂気の命令に、俺たちは背を向けた。
昭和20年、敗戦直前のフィリピン・ミンダナオ島。
指揮命令系統は完全に崩壊し、上官たちは兵を見捨てて撤退。
残された下級兵たちに突きつけられたのは、無意味な「玉砕」の二文字だった。
組織の狂気に絶望した叩き上げの脱走兵・大野國松上等兵は、借金のカタに売られ、道具のように扱われていた朝鮮人慰安婦の雪子を連れて慰安所を脱出。九七式側車付自動二輪車を駆り、米軍グラマンの猛烈な機銃掃射をかいくぐって漆黒のジャングルへと逃げ込む。
二人がたどり着いたのは、死を待つだけの負傷兵たちと、彼らをたった一人で支える40代の生真面目な松永婦長が立てこもる、ウジのわいた野戦病院の洞窟だった。
「こんなところで腐って死んでたまるか。生きてりゃ、美味いもんが食えるんだ!」
國松は夜な夜な危険な調達行へ向かい、米兵の残したお菓子や衛生兵の医療バッグを剥ぎ取って命を繋ぐ。
ゲリラ、米軍、そして脱走兵を殺しに来る日本軍という「3つの敵」に包囲された絶望の砦。明日をも知れない地獄の底で、生真面目な婦長が夜の闇に魅せる崩壊と、生への凄惨な飢餓。それを見つめる雪子の視線――。
これは、国家や戦争に裏切られた人間たちが、ただの「人間」として泥臭く生き残るために武器を取り、二人だけの約束の地(桃源郷)を目指した、命と愛のサバイバル持久戦記。
――私たちは、お互いのために生き残る。
(※本作は雪子の一人称視点で描かれる、徹底した戦場ディテールと人間の尊厳に肉薄する反戦サバイバル小説です。ハッピーエンド確約)
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