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燈夜 2021/02/13 公開 2021/09/01 19:00 更新
『俺君剣聖、御年八十八歳。剣の道のみに生きた一生、偶然ながらも両手に花の人生をやり直す機会を得る……ホントだよ?』
ある日突然俺を襲ったハプニング。慌てふためく弟子は俺の想像を通り越し、全身全霊で俺の状況を楽しんで! 弟子たちが俺を見る目が滅茶苦茶怪しい!
なんだよ俺こそ、お前達の師匠だぞ!
「ぐぉば、フガフガ フッガフガ! (ああ! 俺の入れ歯、総入れ歯。いやいや入れ歯など、この際関係ない!)」
この歳となっても俺を師匠と崇め師事してくれる素晴らしい弟子二人。この二人も充分に育った。二人は俺の宝物である。
それでも俺は剣の腕を極めんと、この弟子二人を侍らして全国を旅して回ることに十年。
俺は世界に挑んだ。そして世界は広かった。この命燃え尽きようとするまで、強者を求めて続けた。だが、俺が味わった世界各地の強豪との真剣勝負に俺の出る幕はなかった。出会った強豪は皆、俺が仕込んだ弟子らの一太刀が片付けたからである。
弟子の手に余り、俺が親権を抜かざるを得ないほど強い強豪には、ここ数年出会っていない。確かに弟子の剣の腕はみるみる上達した。
──しかし。果たして俺は最強だったのか。今思えば、老人の懐古と懺悔である。
この物語がとある老人の回顧録であるわけが無い。シルバー人材などどこ吹く風。年齢は不要とばかりに我が老骨に鞭打ちつつ、蝶よ花よと俺が育て上げた可憐な可愛い弟子二人と共に、今日も世界を旅し渡り行く物語。
俺君剣聖八十八歳、俺が俺の人生に、もう一度輝ける日が来るのだろうか!? いや、咲かして見せる、この命、簡単には散るものか! とばかりに俺君、爆炎の剣聖。未だ現役、いざ尋常に勝負だ天下の|兵《つわもの》どもよ!
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