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ジョン・ウィリアム・ポリドリ博士 Dr.John William Polidori/萩原 學(訳) 2022/04/01 公開 2025/11/03 23:33 更新
死人めいた顔色にもかかわらず、眉目形ばかりは美しい、恐ろしい、風変わりな貴族がロンドンの冬に現れ、浮き名を流す。その名をラッスェン卿という。その頃、ロンドンへやってきたオーブリーという好青年が、ラッスェン卿と知り合い、意気投合してグランド・ツアーへ出る。ブリュッセルからライン川を遡上するコースを取ったが、徐々にラッスェン卿の女たらしで酷薄な性格が知れ、ローマ滞在中に別れる。その後、オーブリーは単独で(当時はオスマン帝国支配下の)ギリシャに赴き、アテネで遺跡調査に没頭し、宿の娘と恋に落ちる。その娘から聞く吸血鬼の噂、そんなバカなことがあるものかと笑うオーブリーにも、吸血鬼の特徴が奇妙にラッスェン卿のそれと似るのは気にかかる。ある日、遠出をしようという時、途中に吸血鬼が出るから日中に帰るよう言われ、早く帰ると恋人に約束したものの。イギリスとの日照の違いに気がつかず、帰る前に日が暮れ、嵐になってしまう。必死に馬を走らせ、1軒のあばら家に着き、雨宿りに入ろうとした時、女の悲鳴が聞こえる……
1819年4月1日、バイロン卿の名で発表されてしまい、吸血鬼のイメージを決定づけた問題作!
吸血鬼文学の嚆矢とされる本作は当初、Henry Colburn の雑誌 New Monthly Magazine No.63 April 1, 1819. に、ORIGINAL COMMUNICATIONS と題して掲載された。「ジュネーブから編集部に届いた無記名の手紙に、小説『吸血鬼』が入っていた」という体裁を取ったものゆえ『文通』と掲げたようだ。雑誌では、[]書きでその旨の説明が入っている。結果、この経緯が解らないと理解できない構成なので、できるだけ初出時に近い形で訳出する。
固有名詞については LibriVox の朗読及び Google 読み上げを聞いて音写した。平井呈一の翻訳以来「ルスヴン卿」と呼ばれる貴族の名は、「ラッスェン卿」とする。
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Copyright(c)2022,Gaku Hagiwara.訳文は GNU FDL 1.2 以降に拠る free document とする。出典、配布条件、変更点を明記する限りに於て自由に、つまり利用者が責任を負える限り、複製・配布・改変その他の利用を許可する。
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