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夜摩 高嶺 2026/05/18 公開 2026/08/15 17:30 更新
現代日本、ダンジョンが出現してから十二年——探索者の保険金詐欺は、業界の常識となっていた。
メガバンクで上司の不正融資を内部告発し、閑職へ飛ばされた宇津木伊吹。三十三歳。転籍先は大手損保『三豊ダンジョン保険』の損害査定部 例外案件係。処理困難と判定された案件が辿り着く、わずか三人の左遷部署である。
赴任初日、彼は一件のD級探索者死亡事故の査定を命じられる。現場検証のため初めて踏み入ったダンジョンで魔素暴走に巻き込まれ——覚醒したスキルの名は【真贋鑑定】。
書類に書かれた文言が、色で視える。真実は青、主観の誤認は黄、虚偽は赤、意図的な隠蔽は黒。事故報告書を一瞥し、宇津木は呟く。「——この書類、全部嘘ですね」
小口の保険金詐欺から始まった査定業務は、やがて中堅クランの組織的不正、そして大手クラン『雷電』の詐欺網、業界全体を動かすシンジケートへと繋がっていく。戦闘スキルを持たない査定員が、書類と言質だけで現代ダンジョン経済圏の暗部を暴く——
現代×ダンジョン×社会派ミステリ、開幕。
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